11話


 ええ、長門有希が大好きな私としてはたまらんかったですよ、今回は。

 さて。

 いきなり何のアニメが始まったのか分からないアヴァンだけど、古泉の「涼宮閣下」と言う言葉を聞いて、ああこれはハルヒなんだなあ、ということが分かった。こんな始まり方は無かったんじゃないかなあ、このアニメでは。

 どうもこういうのを見てるとナデシコを連想してしまう。まあ戦艦物(?)を滅多に見ないんで、他に思い当たる物がないだけなのかもしれんが。ハルヒ=ユリカ、長門有希=ルリ、キョン=アキト、みくる=…誰だろう?

 それにしてもずいぶんとキョンの言うことは聞くようになってるのな、ハルヒは。そら言ってることは至極当然のことで、納得させられてしまうのも無理はないんだろうが、ハルヒにはそんな常識は通用しないからなあ。洞窟での一件とか、この次の、最終回である「一本で十分でしょ」発言から考えると素直になってても別に驚くような事でもないが。

 そういや七夕、全然関係なかったな。うーむ。


 で、話は一週間前に戻ると。なんか一生懸命ポットの温度を計測しているみくるの表情がかわいらしい。この人もほんと色々やってるんだけど、報われないよなあ。何か問題が起きたときにこの人はなーんもできないみたいだから、こういうことをやっておかないとほんとただの役立たずになっちゃうんだけど。

 「あいつ(ハルヒ)が居ないと平和そのものだ」とキョンが言うもんだから、てっきりハルヒが直後に帰ってきたのかと思ったら、コンピ研の連中だった。よく考え…なくとも、ハルヒがノックなんてするわけがなかった。荷物で手がふさがっていたとしても、たとえば足でノックをするとかそういうことをするわけもなく、恐らくでかい声で叫ぶだけだろう。「なにやってんのよキョン!早く開けなさいよ」とかなんとか言って。

 そういえば…コンピ研なんてのも居たなあ。パソコンを強奪されるだけの役としか思ってなかったからすっかり忘れていたよ。そういや以前にもなんか校内新聞に載ってるのを見かけた気がしたが、やはり忘れている。要するにどうでもいいキャラなんだな、うん。

 なにをしにきたのかと思えば、自分たちが作ったゲームソフトで勝負をしたいらしい。勝負好きと言えば、やっぱ鳥坂センパイだよなあ。傍若無人で人の話を聞かず、押しが強い。まさにぴったりではないか。

 しかし話をしているのはハルヒキョンとあとコンピ研の連中なのに、映っているのは長門有希の読書姿。そらね、長時間長門有希の姿を眺めていられるのは嬉しいが、普通に考えたら喋ってる連中を映すべきだろうねえ。

 それにしても長門有希はメチャクチャ読む速度が速い。まあ人間ではないんだし、速読が出来ても不思議ではないんだけど。もしかしたら、無関心で本を読んでるだけ、のフリしてハルヒ達の話を一生懸命聞いているのかもしれない。それで本を読むのがおろそかになって、全然本の内容が頭に入ってきていないのかも。

 そのことを示すかのように、長門有希はコンピ研から渡されたゲームに異様に興味を持っている。一応右手に今し方読んでいた本を持っているものの、意識は完全にゲームの方に行っている。オセロもそうだったし、長門有希はゲームが好きみたいだからね。第5回活動記録でも「興味あるゲーム」と書いてるし。

 で?コンピ研が勝ったら長門有希かみくるか、はたまたハルヒがコンピ研の物になってしまうと。絶対に負けることがないという自信があるからなんだろうが、実際に負けたとしてもなんだかんだと理由を付けるか、もしくはパソコン強奪の時のようにうまく言いくるめるかハメたりなんかして引き渡すことはないんだろうけどな。

 ハルヒ自身の体を賭けたらいい、というのはキョンの言葉だが、即座に否定はするものの、思い直して…というよりもキョンの顔を立てて、ってことだろうけど、「どうしてもって言うんだったら、まあ、あたし(ハルヒ)でもいいけどさ」と言ってるときのハルヒの表情がいいねえ。キョンの顔をチラっと見ながら、でも恥ずかしいからすぐに目をつぶってセリフを続ける。そしてそんときの話し方。どうみてもツンデレです。

 キョンもびっくりしてるよな。まさかこいつに自分の意見が通るとは思ってないだろうから。結局その提案は即刻却下されるんだけど、まあハルヒにとってはそれはどうでもいいことなんだろう。その言葉を言えただけで十分だろうし。


 やはり長門有希はパソコンやゲームに興味があるらしく、一応席を立ってコンピ研の近くに移動してはいるものの、視線はずっとパソコンの方へ向いている。#9第十四話では、どう考えてもカメラの位置を知っているとしか思えない行動を取っていた長門有希だけど、まああれは単なる偶然だし、今回のもカメラ目線ではなくてパソコンが気になっていただけだ。

 それにしてもよっぽど興味があるのか、帰りの道中でもずっとゲームのCDを見つめたままだ。いくら長門有希と言えど、ジャケットを見つめているだけでゲームができたりするような能力はないだろう。昔、ファミコン時代にカセットを眺めて想像を膨らませていたようなこともあったような気がするが…。そういえば、前に知り合いで、CDのデータ面を見ただけでどの音楽CDを当てられるという凄い人が居たなあ。どんな目をしていたんだろうか…。


 朝比奈画像集、番号を画面から拾ってみたが、2528 2531 2533 2534 2539 2540 2541 2544 2547 2548 2550 2551 2563 2565 2660 2663 2668 2669、と、こんだけしか分からなかった。あともう二枚、最後にあったようなんだけど、番号が出る前に消えてしまったみたいで。小説には載ってるんだろうか?

 長門有希も、ジャケットを眺めてるだけではもう我慢出来なくなったのか、開けて、説明書を読み始めた。長門有希の事だから一度読めばもう忘れることはないような気もするんだけど…持って帰る気なのかな。


 意外ではあるが、長門有希はコンピューターを触ったことがないらしい。自分自身がそういうような存在なのに…。まあ、もっと高度なコンピューターなんだろうから、こういうのは知らなくても当然かも知れない。いまどきの女子高生に黒電話を見せたら、電話のかけ方が分からない、みたいなものだろうか。そら生まれた時からプッシュ式のしか使ったことがないなら分からないよね。

 不思議そうにマウスを眺めてる長門有希も可愛いんだが、これ、光学式だよね。あのレーザーって目に入るとあまり良くないような気がするんだけど…。まあそんなに強力な物じゃないから、失明するようなことはないだろうけど。

 頼みの綱だと思っていた長門有希だったのに、マウスを空中で動かしてるし、全然わかっとらん。未来のポインティングデバイスはそんな風にして操作するのかもしれんが、まだそんなんはないよ。一応Wiiではそのようなことが出来るらしいんだけど、まだまだ実用レベルではないだろうしねえ。

 サポートに電話して「カーソルをマウスで動かします」というのを聞いて、マウスを画面にくっつけて動かしたけど動かなかった、なんて話もあるが、光学マウスならそれでも一応は動きそうだな。長門有希にもそれやってほしかったが、ちゃんと動いちゃったら意味無いもんねー。

 それはそれとして、長門有希の上達の早さと言ったら凄いのなんの。

 一日目では右手人差し指だけで打っていたと思ったら、二日目には両手人差し指、三日目は多少速度が上がり、四日目には両手の全ての指を使って速度も上がりさらにタッチタイピングが可能になり、五日目にはますます速度が上がっている。人間業じゃないぞ…。

 しかし、基本的にこのゲームはマウスを使って遊ぶような気がするのよ。なのに長門有希はこんなにキーボードを叩きまくって一体何をしていたのだろうか?この時点でコンピ研がイカサマをしてくるのをよんで、それに対応するプログラムを作っていたとか?それはないか。時間跳躍は、可能だけれども長門有希自身では出来ないことが分かってるし、それを見てきたとは思えない。それに後でプログラム書き換えの時にコードらしきものが出てきたから、この時点ではゲームプログラムにどういう脆弱性があるかを探っていた、ということなんだろう。それでも相手がイカサマしてくることを前提としてることに変わりはないんだよなあ…。

 もしかしたらチャット機能が付いてて、それでチャットをしてただけなのかも?いやでも相手が居ないか。まさかオープニングに出てくる

YUKI. N>また図書館
YUKI. N>また図書館
YUKI. N>また図書館
YUKI. N>また図書館
YUKI. N>また図書館


 ってのをここで打ってるとか?違うよなあ。(↑ちなみにGoogleのキャッシュだとハイライトの関係上、配置や配色がおかしくなっています。本来のページを開いて見てください)


 そんでもってここが今回の一番の注目ポイントだろう。キョンの「今回はインチキ技は無しだからな」の言葉に対して"Yes"の返答を返す長門有希の仕草。首を一旦振り上げてー下ろす!なんかもうかわいくてたまらんですわ。動きがカクカクしてるんだけれどもそこがまたいい。しっかりと髪の毛が擦れる音がしてるのもポイントが高い。


 さて、いよいよ本番当日。自信の原材料を2ミリグラムでいいから分けて欲しい、とキョンが心の中で思っているにもかかわらず、何故かハルヒにそれが伝わってしまう。どういうことだ。二人はプ…すでに以心伝心の間柄になっているとでもいうのか。

 んで充電してあげるといって顔を近づけるハルヒ、の目が閉じていればよかったのになー。なんの充電だよ!と、でも多少はキョンも動揺しただろうに。

 というわけで冒頭の部分に戻ったというわけだ。

 実際の戦闘でもみくるは役に立たんが、ゲームでもやはり同じのようだ。味方の位置を見失い、自分の位置さえも分からない。ほんと役立たず…。そういうやつに限って、味方がチャンスで攻撃しようとしたらどこからともなく現れて邪魔するんだよなあ。うーん。


 そこで頼りになるのが長門有希ってわけだ。とても一週間前まで空中でマウスをくるくるやってたヤツだとは思えない。

 人間業では無理だからってんで、BOTでも使って分隊を操作してるのかとも思ったが、そんなのを使わなくても長門有希なら多数の分隊を同時にかつ正確に操作するなんてことは朝飯前かもな。

 だとするとこのC言語で書かれた(と言う風に見える)プログラムは、ハッキングを仕掛けるための物なのか。なんかかなりの分量なんですが…。表示されてる範囲がおかしいと思うのもあるけど、まあ別にそこはどうでもいいんだろう。でも…高速に打ち込むのはいいとして、複数のウインドウに同時に打ち込むってのはさすがに無理があるような。普通のコマンドプロンプトだよね、これ。バトルプログラマーシラセじゃないんだからさ…。

C:\WINNT\system32\cmd.exe
c:\>bcc32 -W SimInject.cc

c:\>SimInject.exe


 と見えてる事から、C++を使って開発したことは間違いない。C++の拡張子はcppだと思っていたら、ccってのもあるというのは初めて知った。どうでもいいが、最後の".exe"は打ち込む必要がないぞ。


 さて、ここも今回の注目ポイントかもしれないなあ。一応、前の無人島の話で、団長であるはずのハルヒよりもキョンの事を上に見ているのは分かったんだけど、今回もそんな長門有希の様子が見て取れる。「許可」をハルヒじゃなくてキョンに貰うと言うことで。まあね、ハルヒに聞いたところで「なんかよくわからないけど、それで勝てるんならやっちゃいなさい!」と、何の考えも無しにゴーサインを出すだけだろうし、唯一の常識人であるらしいキョンに聞くのは正解だと思う。それも信頼あっての話なんだが。


 で、今回も出ました、長門有希の口癖…なのかはわかんないけど「そ。」が。ちょっと今回のは無理があったような気もするが…。

 というわけで、条件が対等になったら長門有希に勝てるわけもなく、あっさりとコンピ研に勝利。そもそも長門有希が居る時点でイカサマを使っているようなものだがなあ。条件も対等どころかかなりこっちが有利である。最後、今回一番の活躍を見せてくれた長門有希の放つ波動砲のような物で勝負あり。ほんと、ハルヒは出番ないよなーw


 ゲームが終わったらいつものように本を読み始める長門有希だけど、なんだか様子が違う。普段なら、特に外部の人間から話しかけられても顔すら上げず、聞いてるのか聞いてないのかよくわからないのに、前に立たれただけでその人の顔を見てる。これは、、そういうことを期待していたとしか思えないよね。コンピュータをいじってるのが楽しかったから、それをまた出来る場を…って。

 まあ自分の意志は既に決まってる訳なんだけど、やはりここでもキョンの許可を待っている。ハルヒではなくキョンハルヒに言っても許可を出してくれるわけはないし、そのハルヒだってキョンがいいと言えば拒否できない事を知っているからだろう。

 キョンの許可が出たところで、少し顔をさげ、そして俯いたところでまた「そ。」。ここはバッチリだ。てかまた細かいな…。


 最後、「またパソコンができるんだ」みたいな感じで本をキーボードに見立てて打ってるんだけど、一体そこではどんなプログラムが生まれてるんだろう。素振りみたいなもんで、特に何かを、ってわけではないのかな。

 それはそうと、長門有希が今回初めてパソコンを覚えたのだとすると、これまでのサイトの件はどうなってしまうんだろう?カウンタをいじったのは長門有希だったということは分かってるんだけど、一体どうやって書き換えを行ったのか。

 「地球の現代技術レベルに則って、プログラムに修正を施したい」と言ってるところを見ると、あの修正はもっと高度な方法を用いて行われた、ということになるのかな。あのページのソースにJavaScriptが使われてたし、プログラムを学ぶのは今回が初めてというわけではないということになるかもしれない。


 さて、「次回、涼宮ハルヒの憂鬱 第12話!」「違う!」って違わねえし。珍しく二つの話数が合っちゃったよ。「お前の提案は自動的に却下されるようになっている」みたいな感じだな。可愛そうに。まあこれまでずっと間違ってきた(ようにみえる)のが悪いんだけどねー。

 あと次回を合わせて二話しか残ってないのかー。どうなるんだろうな…。

 アニメが終わればようやく小説を読めるなあというのもあるけど、やっぱ終わってしまうのは寂しいね。続編があればいいんだけど。