ネギま 21話

 一体なんなんだろうか、今回の話は。いくら原作と同じ展開にはしないという方針にしても、あまりにもひどすぎる。正直ガッカリ…。

 まあ前回の時点でかなり駆け足というか詰め込みすぎの状態ではあったが、そのまま突っ走ってしまった形だ。

 そもそも、前回で既に学園長に助けを求めている段階でおかしい。このかの実家に着いてすらいないのに、なんでいきなりそうなるのか。つじつま合わせだろうけれども、あまりにもむちゃくちゃな。

 始まりの回想シーンはまあそのままだろう。が、そのあとすぐにこのかの実家へ向かっている。映画村での騒ぎはカットなのか。でも、クラスの他の人たちの一部は映画村に行っているようだ。はっきり言って、他の人たちが映画村に行っている必要性は全くない。

 ネギたちの映画村でのシーンが全てカットのため、このかの力が発現することもない。月詠との戦いそのものは別にカットされてもかまわないが、それに付随する刹那のこのかを護るんだという部分が抜けていて残念。もちろん屋根の上で身を挺して矢を受け止めるシーンも。

 まあ相変わらずアクセントやイントネーションが気持ち悪く聞こえてしまうのもあるが、ここでも展開が早い。さっき、このかの力が発現してなかったが、にもかかわらず「隠しきれるものでもなかろう」という理由でこのかに魔法使いであることを教えてくれという話になってるし、速攻敵が攻めてきて、あのアスナの髪飾りが鳴った理由もよくわからんし、もういきなり石化だ。

 そして戦闘。ここでもマンガでは風の障壁を張って作戦を練り、しかも刹那と仮契約を済ませているのにそれも無し。なんだろう。アスナ以外とは仮契約せずに終わらせるつもりなんだろうか?

 かなり苦戦して烏族の力を使おうかどうしようか…という場面も無い。いきなり楓や龍宮、クーフェが来るのはどう考えてもおかしいだろう。しかもそのせいで夕映の出番が無くなってるし。

 遅延魔法の話も出てこないし、あまりにもあっさりしすぎている。さらになんだ。水妖陣が本来の効力を発揮してしまっている。まあ服が脱げるのはこの局では無理なんだろうが、それにしてもアスナの魔法完全無効化能力が無いことになっているのはちょっと…。

 で、まあこのエヴァが出てくるシーンはマンガと同じなんだけど、これだけの為に前回さっさと支援要請を出したってのはちと考え物だ。しかも見たところ、苦戦らしい苦戦をしている様子はない。これだけを見ると、まあ10歳の割には…というのは多少わかるかもしれないが、それでも、マンガと比べるとかなりネギの力が弱いように思えてしまう。契約執行すら使ってないしね。あ、自分自身への契約執行も使っていない。そこらへん、ネギの技量を示す重要な要素じゃないの?

 こんなんではエヴァが出てきても「ギリギリなんとか助かった」という風には見えない。あまりにも駆け足過ぎて、そんなことを感じ取ってる暇がない。

 ネギに対する「前回負けた悔しさ」も見えてこない。そのために、この質量相手では結界弾は十数秒しか拘束できないにも関わらず、エヴァは自分の力がどんだけ素晴らしいかをぐだぐだ喋ってたというのに…。で、「おわるせかい」は?言わないの?

 そいで、このかの能力が発現していないから石化は戦いが終わったら勝手に解けてしまう。なんかこれも拍子抜けだ。ネギも石化しとらんしねー。

 まあこのかの魔力を刹那に吹き込んで、それで復活させようってのはオリジナルの展開としては別にいいんじゃないかと思うが、人工呼吸レベルの扱いとは言え、ここで所謂キスをしてしまうのもなあ。当然そんなとこまで話は進まんだろうけど、このかがネギに、「仮契約ってキス以外に方法ないん?せっちゃんが女の子同士でキスするのいかん言うんよー」みたいなことを聞いてくる場面があるが、そこから考えるとやはりここではキスせん方がいいと思う。

 というわけで今回の話は終わり。

 なんか、今回の話はダイジェストにすらなっていないような。ストーリー上、重要と思われる要素すらかなりすっ飛ばして、なんとか時間内に収めてるだけ、のように見える。原作を読んでいるから内容を補完できるけれども、そうでない人に今回の話は理解できたんだろうか?今回の話そのものは理解出来たとしても、面白さは全く伝わってないんじゃなかろうか。

 原作者の日記の5/13に

しかし・・・う〜ん、もったいないな、ネギま。(^^;)
もう一回やるか?

 というのがあったが、確かにもったいない。もちろんこの文は作画に関しての事だろうと思うが、もしかしたらこの時点ですでにこの回を見ていたりして…。なんてことを考えてしまう。

 またちょっと日記の書いていないのが溜まっているが、今回のことについて触れるんだろうか。もし「だめだこりゃ」と思っていても、なかなか本音を書くことはできないとは思うけど…。でも、本当にそう思っていたら遠回しでも何らかの書き方をしてくれるんじゃなかろうか。

 根本的な原因は、まだ原作がどこへ着陸するか分かってもいないのに、しかもこんな短期間のアニメにしようとしたことじゃないのか。実際にこのアニメを作ってる人たちはそんな中でものすごーく頑張ってるんだろうとは思うんだけど…。

 ほんと残念よこれは。