AIR 10話

 カラスの「そら」の視点を使うことで、裏で何が起きていたのか、そして7話の最後以降どうなったんだろうということを表現した話。

 ところでこれは一体どういうことなんだろう。最初の時の話ではカラスなんて全然画面に登場してこないのに、ここでは思いっきりそこに存在している。パラレルワールドと見ればいいのか、過去の一部に変更があった場合、それ以降の記憶が全て「元からそうであった」かのように書き換えられてしまうということなのか。タイムマシーンで過去に戻っても、違う世界軸(要するにパラレルワールド)での出来事が書き換えられるだけで、自分が元いた世界はそのまま残っているという話もあったような。いずれにしても、タイムマシーンが存在しない現在ではどれが正しいのかなんてことは分かるわけがない。

 戻ったのは観鈴が往人と出会うよりも前の時間。ニアミス…というか、往人は眠っていたから気づかなかっただけで、ゲームが始まるよりも前に観鈴は往人の隣に来ているんだけど。でもそれよりも前に戻った。

 往人は眠っているから観鈴は独り言のように喋ってるだけなんだけども、それよりも海の波がなんか変な感じ。CGなんだろうか?ちょっと手描きではこんなうねうねとした波は描けないんじゃないかと思うんだけども。
幸せな記憶を
 ここで視点が変わるんだけれども、ゲームの最後でこっちから見たシーンというのがあったような。いや、この子供からの目線だっけか…この子供そのものが関係してくることを匂わせるような雰囲気だったようにも思うんだけど、はっきり言って覚えてない。

 家に帰ってこのカラスを飼っていいか聞くけれども当然却下。そらそうだ。カラスって黒いし、なんかいろんな雑菌持ってそうだし、作中でのこのカラスはなんかアヒルみたいに見えるけれど、実際はそんなかわいいもんじゃないだろう。それにいきなりこんなくちばしアタックを喰らったんじゃ、誰だってイヤになる。でもいくら大阪人だからと言っても、そのリアクションはちと大げさすぎるんじゃないかと思う。

 次の日、学校。なんか明日から夏休みらしい。カラスにそんな色々話しかけても理解出来るわけはないだろうが、まあ観鈴には話し相手がいないから、ぬいぐるみでもなんでも一緒なんだろう。
未知との遭遇
 で、ここで謎の生物同士が出会う。

 ポテトが何を思って近づいてきたのかは分からないけれども、思いっきり逃げられてしまう。犬だもんなー。鳥だったらやっぱ逃げるだろう。そら何度も見かけているならまだしも、初顔合わせだったらそうなっても仕方がない。ポテトは「なんで逃げるのさー」とでも思っているんだろうか。でも追いかけることはしないのね。

 そして教室に入ってしまうと中は大パニック。なんか女子更衣室に入っていたのがバレたかのような勢いだ。そらカラスが突然入ってきたら少しは騒ぐだろうけれどもここまでの事にはならんだろう。この音からすると、机やらイスやらホウキやらが飛び交っているに違いない。

 結局友達と遊ぶ約束が出来なかった観鈴。まあ、これまで付き合いが無かったのに、急に遊ぼうなんて言われたって相手が困るだろう。この場合は観鈴が単に声を掛ける勇気がでなかっただけのようだけども。

 ふむ。突然「ラーメンセットぉ!」と叫ぶ往人だが、よく「そら」は逃げなかったな。人間でもかなりびっくりするだろうに。いくら相手が自分自身だったとしても驚きそうなもんだが。

 縁側で酒を飲んでいる春子と、それを見ているそら。ここいらへんが第一部では見えなかった部分。普通ならこんなヤツをいきなり家に置くなんてことを了承する訳がないのに、なぜ置く気になったのかという説明の部分だろう。

 その後の…この男の名前はなんだっけ。橘敬介か。こいつも第一部では往人の人形劇を見てケーキをくれただけの単なる通りすがりでしかなかったわけだけれども、この物語に深く関わっている人物の一人。を、ここでも往人は登場させずに「あ、留守だったのはこの家だったのか」と言うことを説明している。
ほんっとカンベンしてください…
 その男にちょっとだけついて行ってたら、後ろからバイクに乗った春子が。なんでここで出会わないんだ。タイミングが良すぎる。強引に鞄の中へ詰められて走っていくが、そらがハトに変身している…。迷惑な話だよなー。やっぱ鳥でも酔うんだろうか?

 連れてきた神社でベラベラと観鈴の事を喋っているけれども、そらはそれを理解しているのか。記憶がない…いや、記憶はあるけれどもそれがうまく関連づけ出来ていないだけか、ともかく自分が往人であることに気づいてはいないだけで、人語を解すること自体はできるんだろうか?ここでもやはりあの音楽は途中が飛んでしまった。この曲をフルで聴くことはできないんだろうか。ここで投げ捨てられた恐竜のぬいぐるみ、あとで再登場したような…うーん?

 また出た「蝉っぽいベーコンエッグ」。しかしこのシーンの声は録り直したんだろうか?「往人さんのベーコンエッグがとんでもないこ と に」と、微妙な空白があったように思ったんだけど、今回聞いた限りではそれが無かった。もしかしたら聞き違いかも知れないけど…。どっちにしろ往人のベーコンエッグはとんでもないことになっちゃったことに変わりはない。

 その「セミ突入シーン」を目撃していた「そら」にはSマークが。「うわー、俺こん時全然知らなかったけどそんな物を喰ってたのか」と言うことなのか、それとも単に「こいつセミ入り喰ってるよ…」と思っているのかどっちなんだろうかね。

 ここらへんはこれまでのシーンを断片的に見せてるだけですな。まあ一度やってるんだから、同じのを見せても仕方ないけど、一応あらすじだけは、ってことかな。

 で、7話の最後の方だったか、温泉巡りに行くと言って出て行った春子は、前にもちょっと書いたけれども本当はそんな目的じゃなく、観鈴を本当の自分の娘にしようと、直談判に行くところだった。本当のことを伝えていてもよかったような気もするが…。

 往人が出て行ってしまったことで泣きじゃくる観鈴。これもやっぱいつもの癇癪なんだろうか。普通に泣いているにしては異常のようにも思えるが、それにしては発動条件(?)が整っていないような気もするし。

 出て行った往人がまた戻ってきて、祈りを込めたら過去へ…。で、その後に残った「そら」が見せた幻影。その中で往人が言った「今まで誰もたどり着けなかったゴール」と言う言葉、呪いから解放されるという意味なのかもしれんが、でも人生のゴールでもあるわけで…。いや、結婚ってことじゃなくてね。ゴールしてほしいけど、でもゴールしてほしくないという。そこで終わり。

 あと3話かあ。なんか予告を見るとかなり観鈴は弱っていたようだけれども、まだゴールするには早いよね。

 春子が今まで母親らしいことを何もしてやれなかった分、それを取り返すように母親らしくしてやろうと。というか母親になってやろうというような話かも。