AIR 6話

 いやー、今回は感動的な話でしたなあ。まだこの後に観鈴という大きな山場が待ちかまえているのに、今からこの状況では(自分が)かなりまずいことになりそうだ…。

 目覚めると突然目の前に美凪の顔が。美凪美凪だけど往人も往人だよな。美凪の事だから何か意味があってこんなことをしている訳じゃないのは分かってるけど、こんなおいしい状況なら、ねえ。

 それにしてもみちると往人はずいぶんとうち解けたもんだ。今まで「なんできたんだおまえはー」みたいな感じだったのに、「おかえりー」だもんな。
お前、腹ボッコー出てるな
 押しつける胸は無いが、さりげなく腹を出してるあたりが微妙にマニアックだったり。これなんかもう親子みたいだもんな。実際みちるもそういう風に思っているのかも知れない。あー、…でも実の父ではなくて、なんだ、おじさんって感じか。そういえばみちるっていくつなんだっけ。美凪と姉妹みたいな感じなのであれば、それほど離れてはいないか。中にはけっこう年の離れた兄妹や姉妹もいるが。

 それはともかく、美凪母の記憶が戻りかけている。それでも往人とすれ違っても全然気づきやしない。まあそこは大して重要な記憶だとは思えやせんし、戻らなくても問題ないだろう。米を運んでくれたって記憶だけだろうし別にねえ。

 美凪母の容態を知り、美凪にこの町から出て行くことを告げる。もちろんまだ本当に出て行くつもりなんてない。親子の絆を取り戻してやりたいという思いから考えついた作戦だ。
だっちゅーの……。私には…無理でした
 ただ、出会ってからまだそんなに経ってもいないのに、なぜそんなにすぐついて行こうという決心が固まるんだろう。今まで帰る家があったのが今はもう帰るに帰れなくて、ここでの生活も遊び場としてはいいけれどもみちると2人だけで生活していくにはちと厳しいものがありそうだ。だからついて行く以外にないのかなあということもわからんではないが…。確かにこのどっから見ても「私、家出してます」と分かるスタイルは可愛いんだけどね。なんか駆け落ちするみたい。「その傘、折りたたみのヤツにした方がええんちゃうん」と思わず突っ込みを入れたくなる。が、それが美凪スタイルか。

 ところで、あの皿だとかコンロだとか鍋だとかはどこへ行ってしまったんだろう。家に帰れないのにどっから持ってきたんだって話もある。あの鞄の中に入っているとはとても思えないし。ああ、親父が宿直の時に使ってたりして、駅舎の中にあったんかな?だったらそこへ片づけておけばいいだけか。

 歩き始めてすぐに、美凪はどこへ向かっているのかが分かってきているように見える。「あれ?この道は…」「間違いないですね」「そういうことですか…」というようなセリフが聞こえてくるようだ。

 家に着いたら往人にこれからどうするのかは自分の意志で決めろと決断を迫られる。なんかこう美凪って、手で語る事が多いのかな。さっきも「準備できました」の後に、往人に荷物をひったくられて「あ…うん、行きましょう」ってな手の動きをしていたし、この時も…いや今回は言葉ではなく、単純に意志の固まり具合というのかね、決心しかけるけどでもちょっと諦めかけ、でもやっぱり行くしかないと、なんかそんな手の動き。言葉が少ない分、この辺りで埋めてるのかな。

 美凪が現れる直前まではまだ記憶は戻ってなかったんだろう。もう表面張力でいつこぼれてもおかしくないというようなところまでは行っていたものの、これがなかなかしぶとい。そこへ美凪が姿を見せるという、まあ振動というか刺激というか、それが加わったことで一気に美凪が生まれたときから今までの事がフラッシュバックして記憶を取り戻す。

 やっとここで美凪は、嘘の自分である「みちる」を演じる必要がなくなり、美凪美凪として生きていけるようになった。この世に生まれてくることができなかった「みちる」が居たんだという事も思い出したんだろうか?

 みちるは、美凪美凪として居るために必要な存在だった。だけど美凪母が夢から醒めた以上、もうみちるに頼る必要はない。美凪は、ずっと美凪のままで居られる。もう自分は必要なくなった。それは嬉しいことなんだけど、悲しいことでもある。そんな状況を察知して…というよりもみちるは美凪が作り出した「幻想」であるから、伝わるとかそういう以前の問題かも。つくづくみちるってのは不思議な存在だ。

 その「自分の役目はもう終わったから帰るんだ」ということを往人に伝えているときのセリフ。「人間は思い出がないと、生きていけないんだよ。でもね。それなのに、思い出だけでは生きていけない」。なんだ、要するに塩分みたいなもんか。

 「みちるはね、夢のかけら。ここにいるのはただの夢。でもね、凄く楽しい夢だったよ。凄く幸せだった」のセリフの最後の「だった」の部分で急に曲が飛ぶが、ここはそのまま行って欲しかった。このソロの部分が一番盛り上がるところじゃないのか。後半部分だけを使ってAパート終了のタイミングに合わせたんだろうけど、どうにもしっくりこない。これまでにもそんな部分が何回かあったけど、なーんかどれも気持ち悪さが残ってしまう。

 みちるとの出会いの話。美凪は中学生…いやもしかしたら小学校の高学年あたりかもしれない。ということはもう何年も美凪は親の前ではみちるとして演じてきたのか。長いなそれは…。それでこんな変わった娘になってしまったのか?こいつの場合はもともとそうだったようにも思えるけど…。

 美凪の家。みちるが珍しくおとなしいな。まあ最近ではけっこうおとなしくしていたこともあったけど、今回は特別だ。猫を被ってるとかそういうんではない。どうしていいのか分からない様子だ。

 「みちるはね、」と言った時点でもう名前が分かってしまったようなもんだけど、本人はそのときにはまだ名前がばれてないと思っている。「私は」と言っているのと同じ様なつもりなんだろうけど、なんとも滑稽だ。

 「あのね、みちるね、ほんとはね、ほんとは・・・・!」の後に続く言葉が出てこないんだけど、一体ここは何を言おうとしてたんだろうか。やっぱり「生まれてくることが出来なかったあなたの子供なんだよ」なのかな。それは言わない方がいいし、言っても信じて貰えるような事じゃない。美凪からそういう子供が居たということを聞いていて、励まそうと思ってこんなこと言ってるんだろう、というぐらいにしか思わないはず。

 「みちる」という名前を聞いて一瞬止まったのは、やはり記憶が全て戻っていて、自分にもみちるという子供が居るはずだったことを思い出したからだろうか。それとも単に、今度子供が出来たらみちるって名前にしようかな、と考えていただけなんだろうか。

 そういえばこのあと、美凪母にみちるが髪をとかしてもらうシーンがあったように思うんだけど、気のせいだろうか…もうゲームをプレイしたのがかなり前だから記憶が曖昧でよくわからない。

 とうとう最後の別れ。やっぱここでも銀色か。なんかこの曲はずるいよなあ。曲を聞くだけでなんかやばい状態になる。あれだ、「北の国から」でいうところの「遙かなる大地より」みたいなものか。ダウンタウンの松本は、このドラマでこの曲を聴いて何度も泣いたらしい。何回も聴いて慣れてきた頃に今度はトランペットバージョンが入ってまたそこで泣いたという。AIRで言うとそれはこの「銀色」と「青空」の関係にあたるだろうか。

 ところでこの「青空」という曲を分析すると、どうも「1/fゆらぎ」という成分が含まれているらしい。1/fゆらぎの詳しいことはhttp://www.nihonmedix.co.jp/yuragi.htmlあたりを見てもらうことにして、ともかくこの成分が入っていると人は心地よくなれるらしい。

 これまでの銀色とセットで覚えているシーンが、アレンジが加わってしかも歌入りで、ゆらぎ成分まで入ってるとなるともう耐えられるわけがない。この流れを作った人はなんてことを考えてくれたもんだか…。

 ここらへんのセリフも辛いよなあ。「みちるは笑ってる?別れは辛くない?」ってそんなの辛くない訳ないじゃない。うぐぅの「ボクのこと、忘れて下さい」と同じパターンか。わかってる。分かってるけどこう言うしかないんだっていう。

 「みちる。バイバイ…」と言ったとき、既に背後にみちるの姿は無くなってる。けっこう最後はあっけないもんだけど、思い切らないとずるずる行っちゃうしね。

 それにしても、ね、ここらへんのシーンって声優の人はよく演技ができるもんだよなー。やるとなると感情を込めてやらなきゃならないわけで、感情を込めるとセリフを言えるような状態じゃなくなってしまうような気がする。そこらへんはプロ根性ってやつか…。

 この、再婚相手との間に生まれたみちるは、さっきまで居たみちると何か関係があるんだろうか?転生ったって時期的に合わないだろうし、たまたま、偶然かな。

 とりあえずこれで美凪編も終了。

 次回から美鈴編なわけだけど、もういきなり倒れてるし…。さらに予告を見ると、もう既に「あるはずのない痛み」を感じている。このあと、どうすんだ?

 もしかしたらある程度このSUMMERをやってDREAMに入って、最後の締めくくりとしてAIRをやるという流れなのかな。たぶん「青空」が流れるのは最終話の13話だろうし。となると超過去編であるDREAMがそこそこ長いのかな?

 もうこれからはずっと重いけど、でもそれがAIR