MIDI

 MIDI音源を引っ張り出してきた。ローランドのSC88Proというヤツ。かなり古い。日付を見てみると、たぶん7年ぐらいは経ってると思う。初めて買ったのがSC55mkIIでその次がSC88、そしてこのSC88Pro。

 曲もいくつか入力した。楽器屋で楽譜を買ってきて、それを入力して遊んでいた。使用していたのはレコンポーザで、主に使っていたプレイヤーはnplay。

 レコンポーザは当時定番のソフトで、あまり初心者に優しい物ではなかったけれど、なにせいろいろいじれて動作も軽かったため愛用していた。支援ソフトとしてRAIDというのがあったのも理由の一つ。RAIDと言ってもHDDのミラーリングをしたりする物とは全然関係なくて、単にソフトの名称。パソコンのキーボードが音楽キーボードの代わりになったりピッチベンドやエクスプレッション、その他パラメーターをマウスで描けたりした。

 まあ初心者用のわかりやすい楽譜がそのまま画面に出てくるようなのもあたけど、動作が重かったりいじれるパラメータが少なかったりしたために使う気にはなれなかった。

 nplayの方はと言うと、これまた高性能なプレイヤーで、いろんな情報を表示出来た。エクスクルーシブがどうなってるかとかパラメータがなんだとかそう言うのが出てきたりタッチの強さがどれぐらいかが出てきたりする。普通のプレイヤーでは現時点で一番強く鳴っている音がどれくらいの強さかということしか分からないが、これは一つのパートで複数の音が鳴っている場合でも、それぞれの強さがどれくらいかが分かった。一つの音ごとに箱が出てきて、横が音の長さ、高さが音の強さ。ピッチベンドも同じ場所に表示された。

 これはかなり便利な機能だと思うんだけど、そういう表示をしてくれるプレイヤーが見つからない。探せばあるのかも知れないけど…あったら教えてください。

 さて、入力した曲はほとんどがglobeの物。SC55mkIIでGIVE YOUとAlways together、SC88でPrecious memories、SC88ProでFACEといった感じ。

 GIVE YOUに関しては、もうこれはほとんど曲ってほどでもなくて、アルバムの導入曲みたいな感じで凄く短い。まともなのはAlways togetherからだろうか。まあ音源が音源だけにそんなに凄い事はできないが、それはそれで出来る限り凝ってみた。

 うん。まあ音源がどうとか言ってる時点で道具に頼ってるんで、それもどうかと思うけど…。うまい人はどんな音源を使ってもいい曲が作れる。もちろんそんな人がいい音源を使えばもっといい曲が出来るのは間違いないだろう。ただ、なんというかそうでない人、つまり下手な人は、いい道具を使うことである程度ごまかすことが出来る。PSGでドラム音作ってた人なんていたなあそういえば…。

 このAlways togetherではドラム音に凝ってみた。とは言っても大したことはしてないけど。通常のドラムに加えてELECTRICのドラムセットを使い、確か音程も変えて途中から入ってくるドラムの音を出していた。

 バックでゆっくりと流れるギターも普通のギターとハーモニクスをユニゾンで鳴らしたり、まあ出来ることは精一杯やった、はず。

 そしてPrecious Memories。これ、実は最初は友人が打ち込みを始めたもの。相手は初心者だったし、特に参考になる部分もなかったためそのデータを流用することはなく新規に作成した物だけど、向こうにしたらパクられたって思っただろうなあ…。一応向こうも完成はさせたけど、まあたぶんこっちで作った物の方が完成度は高かったと思う。確かそれは向こうも認めていたはず。うん。

 この曲はピアノを重点的にがんばろうという意気込みで打ち込み始めた。とはいうものの、触ったことぐらいはあってもまともに弾いた事なんて一度もない。一つのコードを弾いたときの全体の音量とかそれぞれの音量とか、なんとなくこう弾くんじゃないかなあと言うことを考えながらある程度適当に、でも出来るだけ考えて打ち込んでいった記憶がある。実際CD聴いてみても、どこでどれがどうなってるかなんてよく分からないし、一つずつ聞き取っていくのは無理があると思ってそれは早々に諦めたと思う。ある程度参考にした部分はあるかもしれないが。

 その点が、さっき書いた友人との違い。向こうはほとんどベタで打ち込んでいた。多少の音量の変化はあっても、それはかなり大まかな物だった。まあ確かにかなり面倒くさいから仕方ないけど…。

 そして最後のFACE。これは確か最初からEFXを使おうと決めて入力したものだったはず。かなりにぎやかな曲で、EFXを使うにはもってこいだ。

 この曲はけっこうギターの音量がでかいから、その他の音がかなりごまかせる。まあそれに頼ってしまった曲ともいえるけれど、一応工夫はしてある。バックで鳴っているナイロンギターを、一弦ごとに鳴らすタイミングをずらしてみた。とは言っても、一応なんとなくこの順番で鳴るんじゃないかなっていう順番で鳴らしただけで、実際弾いてその通りになるのかどうかさっぱり分からない。それにタイミング自体は全部コピーしたからどれも同じだ。まあそれぞれのコードで音数は違うから全く同じというわけではないが、多少手直ししたぐらいでほぼ同じ物。

 あ、あとワウギターみたいなこともしたかも。今使っているTMIDIもKbMedia Playerもパラメータは表示されないから確かそうだったと思うってことぐらいしか分からないけど、さっき書いたRAIDというツールでCONTROLの線をグリグリ描いた覚えがある。確かEFXの中にワウってのがあったように思うけど、EFXは一種類しか使えないため断念したんじゃなかっただろうか。最近の音源では二系統使えたりするんだろうか?

 というわけで、自分で入力したのはここで終わった。そうこうしている内に某団体がこういった著作権のある曲を発表するには著作権料を払え、みたいなことを言い出してきた。そんなの、大半の人が払うわけないでしょ。

 曲を入力して発表している人たちの中には、お世辞にもうまいとは言えないようなのを出してる人がいる。そんな曲をダウンロードするのに誰が金を払うだろうか?発表する人たちはやはりそれをダウンロードした人から金をもらって、それを某団体に納める、ということにしたいだろう。初めて発表する人はダウンして払ってくれる人が居るのかどうかわからないし、自分はうまくないと分かっている人は払ってくれる人がいないであろう事は分かっている。そんな状況で自腹を切って某団体に納めようと考える人は少ないだろう。

 そんなわけで、この某団体の影響でかなりこの業界は縮小してしまったんじゃないかと思う。他人の入力した曲をただ聴きたくて音源を持っていた人はまず新しい音源は買わないだろうし、自分で打ち込んでいた人だって発表する場所が無くなってしまったに等しい状況ではやはり買わないだろう。自分でオリジナルの曲を打ち込んでいる人に関してはあまり影響がないかな。そしてそういうオリジナル曲だけ聞ければいいと考える人。

 もっともこれは「不正コピーがはびこっているからCDが売れなくなった」という理論ともしかしたら方向は同じになってしまってるかもしれない…。

 単純にMIDIの需要が減っただけだ、と言うことも考えられる。MIDIだと、やっぱこう作り手の技量がはっきりと反映してしまうため、わざわざほとんどの場合オリジナルよりもクオリティーの低い物を聞く価値がない、と考える人が多いということかもしれない。

 もちろんうまい人はうまいから、オリジナルと同等、もしくはそれを超えている物を発表していた人もいただろうし一概にこうだとは決めつけられないが。

 ローランドの製品しか知らないからローランドでしか考えられないけど、今MIDI音源を買うとなるとどれになるんだろう。SC8850が最高峰になるのかな。SDシリーズってのもあるみたいだけど、これはどうなんだろう。SDシリーズで言えばSD90てのが最新かな。アルファベット順で行けばSCでSDだからSDの方が強そうなんだけど…。まあどっちにしても多分買わないけどね!

 しかし懐かしいなあ。MIDI音源で鳴らすデータをせっせと入力していた時が…。うーん。