ハナミズキ

ハナミズキ

ハナミズキ

 言わずと知れた、一青窈ハナミズキと言う曲。何を今更と思われるかもしれないが、この人のデビュー曲はもらい泣きだ。この曲を初めて聴いたときから、なんだかちょっと変わった曲だけどいいなーと思っていた。

 まあそれはそれとして。

 このハナミズキ自体は、もう1年ぐらい前の曲になるんだろうか。去年の三月頭にスキー場で嫌と言うほど掛かっていた。自分の好きなジャンルの曲だから嫌ではなかったが。そのときからこの曲自体は知っていたんだけど、少し前、僕らの音楽と言う番組で一青窈が出演している回を見る機会があった。この番組は、鳥越俊太郎氏がミュージシャンと対談して、その合間に曲が三回入る。その中の一曲としてハナミズキが演奏された。

 この回を見た人は知っていると思うが、この曲は単に恋愛を歌った物ではない。作られたのは9月11日。あの連続テロ事件が起こった日だ。N.Y.に友達がおり、身近な人が巻き込まれたことで戦争という物を実感し、この曲が生まれたらしい。最初に書いた詩は、もっともっときつい言葉がいっぱい使われていた。テロという言葉もあったし、散弾銃というのも入っていた。そこから削って削って、今の形になった。完成形の詩を見ても、どこにそんな物が入っていたのかと思わせるほど綺麗な物になっているが、原点としてはそういうことだ。

 そういう話があってそのままハナミズキの歌に入っていく。改めて聞いてみると、なんだかちょっと違った印象の曲に聞こえてくる。表には出てこないけれど、裏にはそういう思いが込められていると分かっただけでこれだけイメージが変わるものか。

 これから先、この人はどんな曲を作っていくのだろうか。非常に楽しみだ。